瀬戸勇次郎選手 にインタビューしました!

2023年1月24日、糸島出身で2021年東京パラリンピックにて銅メダルを獲得した瀬戸勇次郎選手が大学時代の恩師、

楢崎教子先生と一緒に会社を訪ねていただきました。2023年1月から九星飲料工業所属で2024年パリパラリンピックを目指します!

その意気込みも含めて、インタビューさせていただきました。

【プロフィール】

選手名:瀬戸 勇次郎(SETO Yujiro)

ニックネーム:せとじろう、Yじろー

生年月日:2000年1月27日生まれ

出身地:福岡県 糸島市

ポジション/クラス:J2/73kg級

 


【主な成績】

2017年 全日本視覚障碍者柔道大会

       男子66㎏級 3位

2018年 全日本視覚障碍者柔道大会

       男子66㎏級 1位

2019年 IBSAアジアオセアニアチャンピオンシップ

       男子66㎏級 3位

2019年 全日本視覚障碍者柔道大会

       男子66㎏級 1位

2021年 全日本視覚障碍者柔道大会

       男子66㎏級 1位

2021年 東京パラリンピック

       男子66㎏級 銅メダル 

・瀬戸選手の得意な技や誇れるところがあれば教えてください!

瀬戸選手:背負い投げです!技の威力に自信があります。

視覚障害者柔道初めて、5年以上になりますが、そのほとんどが1本勝ちです。勝った試合で1本勝ちでない試合は1試合しかありません。逆に負けた試合も全部1本負けなんですけどね。(笑)

1本を取れる技を持っているという自信があります!どんな状況でも1本を取りに行きたいです。

・今まで遠征や合宿などで出かけた場所で印象に残っている所はありますか?

瀬戸選手:印象に残っているのは海外と日本の文化の違いですね。始めて海外に行ったのは2019年5月にアゼルバイジャンで飛行機はドーハを経由していくんですが、その時ドーハの空港に降り立って、びっくりしたのがイスラム教の礼拝を空港内のいたるところでお祈りされていて、また、機内放送でも「現地では今、ラマダン中なのでご配慮ください。」みたいなアナウンスも流れて、日本とかだとあまり皆さん宗教を表に出さないんですけど、空港に着いた瞬間、やっぱり違う宗教(文化)なんだなと、印象に残りました。

・柔道をやっていて精神的なダメージと肉体的なダメージはどちらが辛いですか?

瀬戸選手:そうですね、どちらかというと精神的な方ですね。自分自身それほどメンタルが強い方ではないので、肉体的なダメージは回復させようと思えば方法さえしっかり押さえれば回復できるので、精神的な方はダメージを追っていること自体が回復を妨げる要素になるので、肉体的なダメージが上手く回復していない時もそのことが自分の中で膨らみ、精神的な部分になったりするので、今後の課題でもありますし、その場その場で考えて対処するようにしていますが、可能ならばダメージを追わない強いメンタルを備えたいですし、試合へのプレッシャー等を勝手に自分で追い込んでしまうので、もう少し気楽に柔道に取り組みたいです。

・大きな大会(試合)前はやっぱり緊張されますか?前日寝れないとかありますか?

瀬戸選手:意外と試合の前日は寝つきが悪いということは無くて、当日の試合会場に向かっている時に緊張が凄くくるタイプで、朝までは何ともないんですが、試合会場に向かっている時がすごく苦手で、それを解すために毎回、準備運動やストレッチは長めにやっていて、自分の体のコンディションを確かめながら、念入りに動かすことで少し安心するといううか、気持ちを和らげています。

 

楢崎教子先生

瀬戸勇次郎選手

仲原社長

楢崎教子先生:

国立大学法人 福岡教育大学 教育学部 准教授(運動学・柔道)

岩手県生まれ、神奈川県大和市出身の元柔道選手。

筑波大学大学院修士課程修了。

 1996年 アトランタオリンピック 52kg級 銅メダル

 1999年 世界柔道選手権     52kg級 金メダル

 2000年 シドニーオリンピック  52kg級 銀メダル

楢崎先生にもインタビューにお答えいただきました。

・先生から見た瀬戸選手の印象を教えてください。

楢崎先生:入学して今年で5年目になるんですが、大学を卒業して研究生として1年経ってあっという間だったような気がします。はじめに藤原先生(修猷館高校時代の恩師)からお預かりすることになって、視覚障害だと聞いて、藤原先生に気を付けられていたことをお聞きしたら、「自分で練習相手を見つけてどんどん練習する

から、視覚障害がある事を忘れてしまう時があるよ」と仰られていたので、柔道部員のみんなと一緒に指導しながら、最初のうちは私もどうしていったらいいか分からなかったんですけど、見ていると、ほんとに自分で全部率先してやっていくので、私が手を貸す場面は殆どなかったです。最初に藤原先生仰っていただいたことが本当にそのままで、他の柔道部員と同じような目線で私は遠くから見守っていました。

気付いたことがあったら、その都度、技術的な指導を勿論するんですけど、彼だけ特別に何かをいったことは無かったなと思いますね。

国内や海外の遠征の時も全部自分で、協会の方と連絡を取り合って、現地に行くのも一人で行って、飛行機の乗り継ぎとかそういったものも一人でやっていて、なので、苦労した事を私に漏らしたりすることが殆ど無かったので、勿論苦労はあったかもしれませんが、本当に自立した選手だなといった印象です。

 

・冒頭の会話の中で2年後の計画をしっかり立てて、仰られていましたが、先を見据えて行動できる選手
 ということですか?

 

楢崎先生:計画的だったよね?元々そういう性格なのかな?

瀬戸選手:この計画がどこまで上手くいくかまだ分からないんですけど、ある程度先が見えないと不安になるので。そういう部分で具体的な目標を持つようにしています。

楢崎先生:綿密だと思います。卒業する直前になったころには1年間ちょうどパリまで目指そう!思いはじめていたので、パリを目指すにはその期間をどう過ごすか?を考えて、大学院に進学するって考えたんですよね。福岡出身なので福教大に残るといった選択肢ないわけではないと思うんですけど、更に自分の力を延ばすためには筑波大学の方がいいと本人が自分で選択して、自分から「筑波大学に行きたいんですけど」って相談があったので、競技欲や学業の面とか、海外の方を受け入れて稽古したりとか筑波大学はやっているので、今、福教大でやっている中でも部員達の競技欲の高い学生は九州にもいるんですけど、更に高いレベルでやっている大学生に交じって稽古するのと、海外からもどんどん稽古にくるので、そういった新しい刺激の中で稽古できるので、また成長するんじゃないかな?って、学業の面でもこの2年間は充実するんじゃないかと思っています。

あとは、怪我だけしないように気を付けて欲しいです、競技欲が一気に上がると思うので、まずは体をしっかり作って、他の選手についていく体力をつけて、2年間やったら一回りも二回りも成長できるんじゃないかと思ってます。

それだけですね、心配しているのは、それ以外はあんまり心配していないです。(笑)

 

・最後に、瀬戸選手パリパラリンピックに向けて、取り組む課題や目標があれば教えてください。

瀬戸選手:パリに出るためにまずは国際大会でポイント獲得しなければ出れませんので、まずは試合に勝つことが前提になります。また、現状の力を維持しながら試合に勝つというだけではなく、圧倒的な強さで試合を獲れるくらいにならないといけないですし、自分自身を進化させていくためには、色々と新しいことにチャレンジしたいと考えています。そのために試合の間隔は短いですので、そういった意味でもまずはこの半年間の間で余裕を持って試合に挑める実力を身につけていきたいです。

あとはパリまでに沢山試合に出させていただけるので、自分の中でどこに重点を置くのか、しっかり考えながら、パリを目指していきます!

これから瀬戸選手の試合スケジュールや結果、活躍を配信していきたいと思います。

みんなで瀬戸選手を盛り上げて、パリパラリンピックでメダル獲得に向けて応援しましょう!

瀬戸勇次郎選手のTwitter みんなでフォローして応援しよう!

Twitter